PADI IDC 評価スレートの盲点?
2025/07/04
PADIのIDC(インストラクター開発コース)で使われるプレゼンテーション評価スレート。
この評価において、**合格基準は「3.4点以上」**と定められています。
限定水域では2回の評価で3.4点以上、
オープンウォーターでは組み合わされたスキルのそれぞれで1回3.4点以上。
でも――
「3.4点」という基準は、本当に“プロとして十分”なのでしょうか?
評価スレートの仕組みをおさらい
プレゼンテーション評価は以下の5項目(各1〜5点)で構成されています:
- ブリーフィング
- デモンストレーション(デモ無しのケースあり)
- トラブル対応
- コントロールと講習の進行
デブリーフィング
点数の合計が一定以上であれば「合格スコア」となり、デモありなら最大25点→5.0点、最低1点となる仕組みです。
現行制度の「最低基準」としての役割
PADIは世界最大のダイビング指導団体として、世界中の候補生に共通の評価基準を提供しています。
そのため「3.4点以上」という基準は、「最低限プロとしての指導が可能か」を判断するラインです。
でも、この点数制度の目的はあくまで「IE(インストラクター試験)を受ける資格を得るため」であり、
「優れたインストラクターである」という保証にはならないと考えています。
では、満点を求めるのは現実的ではない?
そう言われるかもしれません。
実際、「スキルの誇張が少し足りなかった」「トラブル対応が遅れた」などの小さなミスでも、すぐに満点を逃してしまいます。
しかし、それでも私は思います。
インストラクターとして評価されるすべての項目において、満点を目指すべきです。
満点が「完全な安全」を保証するわけではない。
でも…
満点を取ったからといって、「絶対に安全な指導ができる」とは限りません。
しかし逆に、満点を取れない状態で認定され、指導を開始できることに不安を感じるのは当然です。
プレゼンで問われるのは「スキル説明の明確さ」「コントロール力」「安全意識」など、インストラクターとしての本質的な力です。
これらすべてを満たしてこそ、信頼されるプロフェッショナルだと私は考えています。
候補生との温度差をなくしたい
候補生の中には、IDCを「IE受験資格を得るためのステップ」と割り切ってしまう人もいます。
確かにその側面はありますが、それだけでは不十分です。
なぜなら、IEで合格すればすぐに、現場で“教える側”に立つからです。
合格ではなく、「信頼されるインストラクター」を育てるために
私たち評価をする側のインストラクターが目指すのは、
「スコアを出すこと」ではなく「信頼できるインストラクターを育てること」です。
だからこそ、私は次のような提言をします。
【提言】IDCの評価は、満点を「合格ライン」にしてもよいのではないか?
・プレゼンテーションスレートの全項目において5点を求める
・もしくは最低でも「安全項目においては必ず5点」を求める
・それが難しい候補生には、繰り返しのトレーニングを通じて“本質”を身につけてもらう
これは「厳しい評価」ではありません。
むしろ将来のダイビングインストラクターと受講生の命を守るために必要な“誠実な評価”といえるのではないでしょうか。
これが稲取マリンスポーツセンターの考える
Thinking like an instructor です
「3.4点取れれば合格」は、あくまで制度上の最低ライン。
本当のインストラクターへの道は、その先にあります。
候補生の皆さんには、満点を目指す努力を恐れず、
そして私たちダイビングインストラクターは、その挑戦を誠実に支える存在でありたいと思います。













