スキューバダイビングでは初心者講習の時にダイビングプールを使用して講習を始めます

2024/10/22

スキューバダイビングの初心者講習では、通常は安全で管理された環境であるダイビングプールから始めることが一般的です。これは、初めてのダイバーが器材の使い方や基本スキル（マスククリア、レギュレーターリカバリー、中性浮力の取り方など）を練習するためです。

ダイビングプールは水深が浅い場所から深い場所まで段階的に設計されていることが多く、ダイバーが徐々に水中環境に慣れるのに役立ちます。また、トラブルが発生してもすぐに対応できるため、インストラクターが安心して指導を行えます。

その後、スキルを習得したらオープンウォーター（海や湖）での実践に進むのが一般的な流れです。

初心者講習を海で行う理由は、主に次のような点が挙げられます：
1. 実際のダイビング環境に慣れるため

初心者が海で講習を受けることで、早い段階から実際のダイビング環境に慣れることができます。海特有の流れ、波、視界の変化、生物の動きなど、プールでは再現できない要素を体験することが重要です。

2. コストや施設の都合

一部の店舗やエリアでは専用のダイビングプールがない場合があります。そのため、近場の浅瀬や穏やかな海を利用して講習を行うことが一般的です。

3. よりリアルな体験を提供するため

自然の海で講習を行うと、初めてでも「実際のダイビング」の感覚を楽しむことができ、初心者の興味やモチベーションを高めることができます。海中で魚やサンゴなどの生物を目にすると、よりダイビングの魅力を感じてもらいやすいです。

4. 地域の特性を活かすため

海が近く、穏やかで初心者にも適したポイントがある地域では、講習の一環として海を使う方が効率的です。特に観光地や海に囲まれた地域では、海での講習が標準的になることもあります。

5. 特別な機材や準備が不要

プールでの講習は専用施設を使うため、その運営や維持にコストがかかります。一方、海を利用する場合は自然環境そのものがフィールドになるため、プールに比べて追加の費用負担が少ない場合があります。

ただし、海で講習を行う場合は天候や海況に強く依存するため、穏やかで安全な環境が必要です。また、初心者にとっては海での初体験がプレッシャーになる場合もあるため、インストラクターが適切にサポートすることが重要です。

初心者講習を海で行うことには確かに一定のリスクが伴いますが、適切な準備と管理が行われれば、安全に実施することは可能です。以下に、海での初心者講習に関連する危険と、それを軽減する方法を挙げます。

考えられる危険

海況の変化

波や潮流、視界不良などが予期せず発生することがあります。初心者は環境の変化に慣れていないため、恐怖心やパニックに繋がるリスクがあります。

視界や水温の違い

プールに比べ、海では視界が悪かったり水温が低かったりする場合があります。これが初心者にとってストレス要因になる可能性があります。

生物との接触

ウニやクラゲ、毒を持つ魚など、海には初心者が予期できない危険な生物がいる場合があります。

機材トラブルの対処が難しい

初心者はまだ機材の扱いに不慣れなため、海でのトラブルに迅速に対応できない可能性があります。

心理的プレッシャー

初心者が「海」という開放的で時に圧迫感のある環境に置かれることで、焦りや不安を感じやすくなります。

危険を軽減する方法

穏やかな海を選ぶ

波や流れが少なく、初心者に適した浅瀬（例: 水深2～5m程度）を講習ポイントに選ぶことが重要です。

天候や海況の確認

講習を実施する前に、天気予報や潮流情報を詳細に確認し、悪条件の際は講習を延期する判断を徹底します。

段階的なスキル練習

まずは陸上や浅い水中で基本スキル（マスククリアや中性浮力など）を十分に練習してから、徐々に深い場所に移行します。

インストラクターのサポート体制

講習中は初心者一人に対してインストラクターやアシスタントが近くで常にサポートする体制を確保します。

事前説明とメンタルケア

海での環境や起こり得る事態について初心者にしっかり説明し、リラックスできるよう配慮します。不安を抱えている場合はペースを調整することが大切です。

安全装備の活用

予備の浮力装置（浮き輪やスレート）や、目立つ安全旗などを用意しておき、緊急時に迅速に対応できるようにします。

総合的な見解

確かにプールに比べ、海での講習には危険が伴いますが、インストラクターが海況や環境を正しく評価し、初心者のスキルに合わせた段階的な講習を実施することで、そのリスクを大幅に軽減できます。適切な管理が行われていれば、むしろ海での講習はダイバーとして必要なスキルや環境適応能力を早期に身につける良い機会となります。

初心者にとって安心できる環境は個々の状況や性格によって異なりますが、一般的にはプールでの講習が安心感を与えやすいです。ただし、講習の進め方やサポート体制次第では海でも十分に安心感を得られる場合があります。それぞれの特徴を整理すると以下のようになります。

プールでの講習が安心な理由

管理された環境

波や潮流、視界不良などがなく、初心者がプレッシャーを感じにくい。

水温も一定で、ダイバーが寒さを感じるリスクが少ない。

浅瀬から始められる

水深が浅い場所で練習できるため、初心者が足がつくことで心理的に安心。

トラブルへの対応が容易

万が一パニックや機材トラブルが発生しても、すぐに水面に出られたり、インストラクターが対応しやすい。

集中しやすい環境

生物や周囲の環境に気を取られることがなく、機材の使い方やスキルの習得に集中できる。

海での講習が安心に感じられる場合