伊豆ダイビングカレッジ株式会社

PADI IDC | コントロールされた緊急スイミングアセント

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コントロールされた緊急スイミングアセント

コントロールされた緊急スイミングアセント

2022/02/27

目次

    PADI インストラクターマニュアル(IM)とガイドトゥティーチング(GTT)

    全てのダイビングスキルで最もページ数を割き、イラスト付きで説明されているスキルである意味

     ダイブマスター(DM)コース、アシスタントインストラクター(AI)コース、インストラクター開発コース(IDC)、プロコースではPADIインストラクターマニュアルをしっかり理解することが必要です。

     インストラクターマニュアルを読み込んでいくと気が付くかもしれませんが、海洋で実施されるコントロールされた緊急スイミングアセントはインストラクターマニュアルの中で最も多くの文字数で達成条件や取るべき方法が記述されています。

     ダイブマスターコースを終え、さらにステップアップをする場合にはPADIガイドトゥティーチングを読み込むことになります、さらに驚くのがプロレベル教材であるPADIガイドトゥティーチングの中でイラスト付きで説明がなされているダイビングスキルはこの、CESAだけです。

     ここでは、勝手な自己解釈を含めつつ、その意味を考察していきたいと考えています。

    インストラクターとして知っておきたいこと

    「予防」と「対処」
     インストラクター開発コースでは、限定水域(プール)、オープンウォーター(海洋)において講習をプレゼンテーションするトレーニングがあります。
    このトレーニングにおいて、生徒役を演じるダイバーはわざと失敗(トラブル)し、インストラクター候補生がそれに正しく対応することも評価の対象になります。
     ダイビングスキルの実施には、特に海洋においては、まず「予防」を考えておく必要があります、予め防ぐ、ことができればスクーバダイビングをトラブルなしで終えることができ、多くのダイバーがハッピーになるからです(もちろん予防と称して過剰な手助けはダイビングライセンスを取得されるダイバー候補生の方にとってマイナスになることもあります、このあたりのさじ加減はIDC中に説明できればと考えています)。

     しかしながらダイビングスクールにおいて実施されるスキルの多くは「対処」しかできないのが現実です。
     例えばオープンウォーターダイバーコースで実施される「緩んだシリンダーバンドを締め直す」スキルについて少し考察してみましょう。

     このスキルはオープンウォーターダイバーコースの限定水域(プールダイブ)で実施すべきスキルで、水面または水中で実施することが選べるのですがこの画像では水中で実施しています。

    おこりそうなトラブルをイメージしてください

     PADIガイドトゥティーチングにも「よくあるトラブルリスト」というページがあり、このスキルのトラブルも記載されていますが、インストラクター候補生にとって想像(予測)力はとっても大事なのでちょっと考えてみてください。

     さて、想像した、予測したトラブルを予防できるか考えてみてください、多くの場合、想像・予測したトラブルはそのトラブルが発生してから気が付き、「対処」をしなくてはならないトラブルではなかったでしょうか。

     ではもっとイメージしやすいスキルでもう一度考えてみてください

    マスククリアはどうでしょうか?

    予想したトラブルは
    ・鼻から吐かないため水が抜けない
    ・上を向かないのでマスク内に水が残る
    ・マスク内に水を入れすぎてしまう、またはマスク内を水で満たすことができない

    それ以外にも予測されたトラブルがあったかもしれません。

    でもやはり対処が必要なトラブルであると考えられないでしょうか。

     ダイビングスキルのトラブルは深いプール、海洋においては、時としてケガやそれ以上の事態を引き起こすことがあります、浅いプールが完全に安全であるとは言っていませんが、重大な事態は深いプールや海洋で発生する可能性が高いことはスクーバダイビングが陸上よりも高い圧力下で行われる活動であることを考えれば当然であるともいえます。

    ダイビングスキルのほとんどのトラブルは「対処」しかできないのです。

    コントロールされた緊急スイミングアセント

    重大な事態を引き起こさない「予防」に溢れた手順が説明されています。
    PADIインストラクターマニュアル、PADIオープンウォーターダイバーコースのオープンウォーターのキューカードには以下のように示されています。

    スキルのブリーフィングで生徒ダイバーへの指導内容として
    •レギュレーターはくわえたままにする。
    • ウエイトは捨てない。実際の緊急事態では、水面までたどり着けるかどうか疑わしい場合にのみウエイトを捨てるという注意点を説明する
    • コントロール・ラインは使わない – ラインはコントロールと緊急停止用にインストラクターだけが使用する。
    • 通常の浮上速度を維持する。
    • 浮上中は声を出し続ける。
    • 浮上を中止した場合、あるいは何か問題が生じたら、通常の呼吸に戻す。
    • 水面に出たらオーラルでBCDに空気を入れるか、ウエイトを落とす。
    上記はブリーフィングで絶対に伝えなさいと示されています。

    トラブルの予防はブリーフィングから始める

     特にコントロールされた緊急スイミングアセントはこれからダイビングを始められるダイバー候補生の方に、エア切れをシュミレーションし、一呼吸で、浮上中に息を吸うことなく吐き続けながら最低でも水深6mから浮上することが求められています、インストラクター候補生であればこの難易度が理解できると思います。
     プールでは水平方向に泳ぐ形でシュミレーションをすることが多いこのスキル、ダイバー候補生の方がきちんと理解していないと圧力下からの浮上スキルであるため、重大なトラブルが発生する可能性があります、その為、インストラクターマニュアルやキューカードに「必ず伝えなさい」と指示されているのです。
     ブリーフィングのトレーニングはダイブマスターコースから始まります、その経験をインストラクター開発コースではさらに発展させていきます。

    少し話がずれるけど、、、、

    ブリーフィングを形骸化してはいけない

    伝えたことは実践することが大切

     ブリーフィングで伝えたことは、ダイバー候補生に対しての「約束」です、約束を反故された後に残る不信感は取り戻すことができないですからダイビングスクールの担当を変更したほうがよいかと思われます。
     特にこのスキルの場合、ブリーフィングでインストラクターマニュアルに記載された、講習を担当するインストラクターへの「約束」です、それを伝えながら、実践しないというのはダイバー候補生をないがしろにしているといわれても仕方がありません。
     これからインストラクターを目指すIDCに参加される候補生の方はダイビングを始めたいという多くの方の信頼を失うことになります。

    インストラクター側に求められることとスキル実施に関して

    ◆講習環境を整える
    ・水面フロートに結び付けたコントロール・ラインを使用する。
    ・コントロール・ラインは、生徒ダイバーをしっかりとホールドしながら片手で握るか足を絡めていつでも浮上を中止できるように、ウエイトなどを使って水底にしっかりと固定する。
    ・ラインは水面で確保されていて、十分に大きなフロートであり、ライン上に2人のダイバーがいる場合でも引っ張られたときに水没しない状態にしておく。
    ・このスキルは、1回に生徒ダイバー1人ずつで行ない、練習中は、生徒ダイバーとコントロール・ラインから手を離してはならない

     水底に十分な重さのアンカーを設置して、ロープを水面に伸ばし、ロープは沈むことのないように十分な浮力のあるものをセットしておきなさい、まとめるとこんな表現になるのでしょうか。
     また、生徒ダイバーと設置したロープとのコンタクトを維持することが明記されています。

    トレーニングの際にインストラクターが守るべきこと

    色を変えてインストラクターが実施すべきことを強調します。
    ◆一方の手で生徒をホールドし、もう一方の手でラインを握る。
    生徒ダイバーと設置したロープから手を放すんじゃねぇぞ
    ◆浮上のサインを出して浮上を開始する。 生徒ダイバーは声を出しながら息を吐き始める。
    ◆生徒はまず、フィンキックして水底を離れ、その後は力を弱めてキックを続ける。 浮上中、生徒はコントロール・ラインを使用しない。 レギュレーターはくわえたままにし、ウエイトは捨てない。
    ◆練習中はずっと、シリンダーのバルブは開けたままにしておく。
    シリンダーバルブを閉めてトレーニングするなんて愚行はするなよ(プロレベルのトレーニングで実施したことがある方はいるかもしれません)。
    ◆生徒の浮上を手伝ってはならない
    ◆浮上中、生徒ダイバーははBCDかドライスーツの排気ボタンに手を添えたままにし、いつでも過剰な空気を排出できるようにしておく。
    ◆浮上中は生徒の様子を観察し、1分間18メートル以下の速度で浮上するように、コントロールを維持する。 生徒が自分より少し下の位置になるようにホールドする。
    浮上をコントロールするために上方にいるのは当然だからな!
    ◆上方にいることで、生徒が出している声を聞くことができ、生徒も上を見るようになる。 生徒が息を吐き続けているかどうか、注意して確認する。 疑わしい場合には浮上を中止する。 浮上を中断しなければならない場合には、最初から練習をやり直す。
    下から見上げながら生徒ダイバーが排気を継続しているかどうかは判断できないだろ、達成条件を満たすためにやり直す場合は一度潜降してやり直せ。
    ◆水面に出たら、BCDにオーラルで空気を入れるか、ウエイトを落とすよう生徒ダイバーに指示する。 ウエイトを落とす前に、下にダイバーがいないことを確認するよう言う。
    浮力確保までがスキル、水面に出たからと言って気を抜くなよ
    ◆生徒が落ち着いてリラックスした様子になるのを待ってから、次のトレーニング練習に入る。

    この詳細なスキル説明で気が付いて欲しいこと

     先の述べたように、ダイビングスキルでここまでのボリュームで実施方法が説明され、ガイドトゥティーチングではイラストで説明されているダイビングスキルはコントロールされた緊急スイミングアセント以外には見当たりません。
     多くの初心者ダイビングスクールのデータを分析しているPADI(潜水指導団体)がここまでする理由を考えてみてください。

    このスキルではトラブルを許さない

     コントロールされた緊急スイミングアセントでここまでの説明がなされてることに、少し背筋が冷たくなります。
     インストラクター候補生に対するメッセージ、絶対にこのスキルで重大なトラブルを出すなという強い意志を感じられませんか。

     予防できることは最大限の配慮と対応で予防すべきというメッセージです、これはインストラクター開発コース(PADI IDC)においてとても大切な点だと考えています。

    特別なスキルではありません

     コントロールされた緊急スイミングアセント、講習をを担当するインストラクターは、PADIからのトラブルを出すな、という意志によって、この浮上スキルをとても特別なスキルとしてとらえがちです。
     でも、、、、、確かに担当するインストラクターにとっては説明、準備、サポート方法など多くの指定がありますが、生徒ダイバーにとってはどうでしょうか?

    浮上スキルの延長にあるのです

    写真を見てください

     右手を水面に掲げ、左手をパワーインフレーターに添えて、水面に泳ぐこのポーズは「浮上のポーズ」と全く同じです。
     緊急スイミングアセントのトレーニングをする前には浮上のトレーニングは終えているはずです、最も簡単な説明は「浮上のポーズをとって息を吐き続けて泳いでください」、少し乱暴かもしれないと感じる方もいるかと思います、実際の講習では、もう少し詳しく説明しますが(もちろんアダプティブは必要)、考え方として覚えておくとよいです。
     ただし、これはダイビングプールでの話、海洋実習においては前述の通りきちんと伝えるべきことは守ってください。
     そして、このことを把握されたらCESA実施前に行う5ポイント浮上のスキルのやり方も変えていくことなどを考えていくとよいですね。
     インストラクター開発コースでは、この考えて、実践してを繰り返していきます。

    ダイビングスクールにおける不誠実とは

     当ダイビングスクールのIDCで最も重要視しているのが、ダイビングスクールにおいて生徒ダイバーに対する「不誠実」は受け入れられない、という点です。
     これは非常に広範囲にとらえることができますがインストラクター開発コースでは、インストラクター候補生が実施するプレゼンテーションの際にこの不誠実である点はインストラクター開発コースの中で学びんでいただき、修正していただきたいと思っています。

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