マスククリア大好き
2023/06/03
今回は初心者ダイバーに苦手意識があることが多いスキルマスククリアに関して書いてみようかと思います、最後のほうにインストラクター向けのメッセージも追記しています、何かの役に立てばよいです、ぜひお読みください。
目次
ダイビングスクールのスキルの中で最多勢力
ダイビングライセンス取得の為にオープンウォーターダイバーコースで練習するマスク関連のスキルは、、、
◆下半分だけ水を入れたマスクをクリアする。
◆全部に水を入れたマスクをクリアする。
◆マスクを取り外し、元に戻し、クリアする。
◆マスクなしで1分間呼吸する。
◆マスクなしで水中を15m以上泳ぐ。
なんと最低でも5スキルあります。
なんでマスククリアだけ?
オープンウォーターダイバーコースで5種類も練習する理由は視界と呼吸に多大なる影響を及ぼすから、と考えておきましょう。
マスクに水が入ると視界が遮られる、マスクが曇れば視界が失われることもある、ダイビングのマスクは鼻も覆うため鼻呼吸が多い陸上生物である人間は呼吸を乱すことがある、水が鼻腔に入ると刺激的で呼吸トラブルを引き起こす等々。
ダイビングスクールを担当しているとマスクに戸惑うダイバー候補生はとっても多いです、時間をかけたいスキルでもあるし、しっかりとマスターしていただきたいスキルです。
マスククリアを落ち着いて対処できるダイバー候補生の方はほかのスキルでも躓くことが少ないと経験で把握しています、嫌われ者のスキルである一方、ダイビングを楽しむために必要不可欠のスキルであるといえます。
動画はオープンウォーターダイバーコースの全部に水が入れたマスクをクリアするを行っている動画です、コンタクトレンズ使用のダイバーなので目は閉じています。
あ、これ以外にYOUTUBEではいろいろな動画をアップロードしていますので是非チャンネル登録をお願いします。
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この動画のマスククリアで注目していただきたいのは、鼻から吐きだすエアの量、です。
初心者ダイバーの多くの方が、マスクから水を追い出したい一心で鼻から強くエアを吐き出してしまいます、マスククリアは鼻から吐くエアをマスク内の水を「置換」することが重要ですので、効率よくマスククリアを行う場合はマスクの外部にエアを出さないとよいですね。
マスククリアを行うべき状況
マスククリアはダイビング中に必ず一度は行うのではないでしょうか。
・耳抜きで鼻をつまんでマスク内に水が入る。
・水中で思わず笑ってしまう。
・何らかの理由によりマスクがずれた場合。
・マスクが曇った場合。
などなどです、マスククリアに対して苦手意識があると些細なことでトラブルになる可能性が高いといえます、苦手意識は早めに克服しておくことを強く勧めます、全てのスキルにいえることかもしれませんが何か苦手意識がある場合、他の小さなトラブルでその苦手意識が膨らみトラブルを深刻化することがあります。いつもより深い水深、ナイトダイビングのような視界が限定される状況、流れが速かった場合、いつもとちがうバディとのダイビングなどそんな小さな不安に苦手意識が重なることがあるかもしれません。
マスククリアを難しくする要因について
マスククリアを困難にさせる要因を挙げてみます。
・スクーバでの呼吸に慣れていない=スクーバダイビングは口呼吸を意識して楽しみますが、マスククリアの際には鼻から吐くことになります、この切り替えがスムーズでない場合マスククリアに時間がかかったりします。
・ストラップがきつすぎる=初心者ダイバーに多く見られます、マスクに水が入ることを嫌がってストラップを締めすぎている状態です。ストラップがきついとマスククリアを行う際にマスクの下部に隙間を作るのですが調節がうまくできずにマスククリアを難しくします。
・フィットしていないマスクである=顔の形に合わないマスクもあります、ほとんどのマスクはフィットするはずですが海外メーカーなどの場合はスカートと顔に隙間が空いてしまうことがあります、私自身も顔に合わないマスクを使用した経験がありますが決して気持ちの良いものではありません。
・内容積が大きい=マスクの内容積が多いと浸入・排水する水の量が増えます。ダイビング用マスクの場合一般的に200㏄程度ですがマスクによっては300ccというマスクもあります、200cc程度のダイビングマスクに比べて牛乳瓶の半分も多く水が多く入るのは少しストレスになりそうです。
・上を見上げない=うつむいたままマスククリアをするとノーズポケットなどに水が残るためすっきりしないことがあります。
・マスク下部を開けすぎている=早く水を排出したい一心でマスククリアの際にスカート下部を大きく開けてしまうダイバーの方がいます、鼻から吐き終わってマスク下部を閉じる際に再度水が浸入する可能性があります。
・吐き終わったのに閉じない=鼻から吐き終わったにもかかわらず、ダイビングマスクのスカート下部を閉じないとやはり再度水が入ります。
・フードや髪の毛がマスクのスカート部分と干渉している=隙間があるので当然水は入ります。
マスククリアを楽しくできるようにしておこう!
練習をしましょう、練習あるのみ!というのは少し雑な言い方になりますが、身体を動かすダイビングスキルは繰り返すことで洗練されていくのです。
マスククリアが楽しくなれば、いつものダイビングがより一層楽しくなること間違いなしです。
上達すれば可能性が拡がる、地球上の多くの海での感動体験が可能になるのです。
他のダイビングスキルを含めて、スキルアップのサポートをさせていただきます。
お悩みのダイバーの方はお気軽にお問い合わせください。
おまけ:ダイビングの際にフードを装備している場合
マスククリアを教わる際に多くのダイバーの方がマスクの上部から水を入れてください、と指示される場合が多いです。
もちろん正しいアドバイスといえますが、伊豆のダイバーや寒がりの方はダイビングの際にフードを装備することが多いです、ですのでそのような場合はマスクの下部から入れる方法も動画のように実践しておくとちょっと楽ができますね。
インストラクター向:常に意識してほしいこと
マスククリアを練習する際に気を付けておきたいこと、実はすべてのダイビングスキルにも言えることです、ダイブマスター、インストラクター開発コースの候補生と私たちインストラクターは肝に銘じておく必要があります、
練習ができるようになっても実際の海で使えなくては意味がない
このことです、ですからダイビングスクール、特にダイビングプールや限定水域のおける講習では常に「海洋実習」をイメージし、ダイビングスクール受講生の方にインストラクションしましょう。
マスククリアを実際に行う状況を想定しておくことが大切です、以前よく見られたプールに膝立ち、BCDは完全排気された状態でのマスククリアは現実的ではありません、もちろん少しづつスキルの難易度を挙げるという方法をとられるための初期段階であればよいのですが、マイナス浮力で行うスキルはオープンウォーターダイバーコース内には2つ程度です、マスククリアも中性浮力や泳ぎながらの練習をしておくことが海で楽しむためには重要です。
初心者ダイバーにそこまではできないでしょ、、、そんな意見もあるかもしれません、でもそれってインストラクターがダイビングライセンスを取得されに来た講習生の可能性をはじめから狭めていませんか。
ダイビングスクールは講習生の水慣れ、体力など様々な状態を鑑み、アジャストしていく必要がありますが講習生の可能性を狭めるものではないと考えています。
「練習でできないことは試合でできない」という考えであるべきで「100回の練習よりも1回の本番」と考えるべきではありません、ダイビングでは1回の本番が失敗となった場合にリスクがとても大きくなる気がするからです。
スキルに関しては機会があることに書いていこうかと考えています、いつもまとまりのない文章をお読みいただきありがとうございました。