スペシャルティは必要? 伊豆で潜り続けるなら知っておきたいこと
2026/09/26
今年オープンウォーターダイバーになった方や、アドバンスまで取得した方から、
「スペシャルティって取った方がいいんですか?」
と聞かれることがあります。全部のスペシャルティを取る必要はないと思いますが、中には持っていることで、その後のダイビングや講習がスムーズになるものがあります。
伊豆で潜る方の場合、そのひとつがドライスーツ・ダイバー・スペシャルティだと思います。
伊豆ではドライスーツを使う期間が長いです
伊豆で夏だけ潜るのであれば、ウェットスーツだけでも十分楽しめますが、せっかくダイバーになったのであれば、夏だけで終わってしまうのは少しもったいないです。
秋から冬になると透明度も良くなってきますし、海の中の雰囲気も夏とはかなり変わります。
そして、この時期に必要になってくるのがドライスーツです。稲取でも、年間を通して潜っている方はドライスーツを使う期間の方が長いくらいです。
今年ダイバーになった方には、できれば来年の夏まで間を空けずに潜ってほしい、、、、せっかく覚えた浮力調整や潜降、器材の扱いも、半年、1年と空いてしまうと忘れてしまいます。
その意味でも、ドライスーツを覚えて冬も潜れるようになるメリットは大きいです。
「着たことがある」と「使える」は少し違います
以前ドライスーツで潜ったことがある方でも、
- 「空気はどう抜くんでしたっけ?」
- 「BCDとドライスーツ、どっちで浮力を取るんですか?」
ということは珍しくありません。
ドライスーツは、ただ濡れないためのスーツではなく、中に空気を入れる器材なので、その空気を自分で管理する必要があります。
特に浮上するときは、浅くなるにつれてスーツの中の空気が膨らみます、ここを理解していないと、思った以上に速く浮いてしまうことがあります。
PADIでは、ドライスーツでのダイビングの最大浮上速度を1分間9メートルとしています。通常のダイビングで示されている最大18メートル/分より遅い速度です。
ドライスーツSPの中でも、中性浮力を保ちながら9メートル/分を超えない速度で浮上する練習があります。
ですから、
「一度着て潜ったことがある」
だけではなく、自分で給気と排気ができて、落ち着いて浮上できること
ここまでできるようになってほしいと思っています。
実はダイビング業界のルールも変わっています
最近ダイビングを始めた方は、ご存じないかもしれませんが、PADIでは2023年に、PADIプログラム中にドライスーツを使用する場合の規準が変更されています。
現在は、
・ドライスーツ SPを受講中
・ドライスーツ SP認定を持っている
・同じような環境でドライスーツを使用した4ダイブ以上の証明がある
・ドライスーツオリエンテーションとドライスーツ アドベンチャーダイブを修了している
など、一定の条件を満たす必要があります。
ですので、
「ドライスーツSPを持っていなければドライスーツで潜れない」
ということではありません、ここは勘違いしないでください。
ただ、これからアドバンス、レスキュー、ダイブマスターなどへ進んでいくことを考えると、きちんとドライスーツダイバー認定を取っておいた方が分かりやすいと思います。
すでにアドバンスを持っている方も確認してみてください
アドバンスを取得したときに、ドライスーツ・アドベンチャー・ダイブを行った方もいると思います。
ただ、アドベンチャー・ダイブを1本経験したことと、ドライスーツダイバーSPの認定を持っていることは同じではありません。
アドバンスを取ったから終わり、ではなく、これからどこで、どんなダイビングをしていきたいのか。その中で必要になるスキルを身につけていくのがスペシャルティだと思っています。
伊豆で年間を通して潜るのであれば、ドライスーツはかなり使用頻度の高い器材、だから私たちは、ドライスーツSPは比較的早い段階で受講しておいてよいスペシャルティだと考えています。
ドライスーツは、ウェットスーツよりレンタルが難しいです
ドライスーツは、ウェットスーツと同じ感覚で「サイズが合えば借りられる」という器材ではありません。
ウェットスーツであれば、ある程度は身長と体重を基準にサイズを合わせることができますが、ドライスーツの場合は、それに加えて、手首の太さ、首の太さ、足のサイズなども合わせる必要があります。
特に首や手首は、水が入らないようにシールする部分なので、サイズが合わなければ快適に使うことができません。
大きすぎれば水が入りやすくなりますし、逆にきつすぎても快適ではありません、ブーツ部分も一体になっているタイプが多いため、足のサイズも重要です。
そのため、ウェットスーツと比べると、レンタルで誰にでもぴったり合うドライスーツを用意するのは簡単ではありません。
伊豆でこれから継続して潜るつもりであれば、ドライスーツSPで正しい使い方を覚え、その後は自分に合ったドライスーツを考えていく、という流れもおすすめしています。
特に、
「冬も潜りたい」
「これから本数を増やしたい」
「レスキューやダイブマスターまで進みたい」
という方は、ドライスーツを単なるレンタル器材として考えるより、今後長く使う自分のダイビング器材のひとつとして考えてもよいと思います。
アドヴァンスで初めてドライスーツを使う場合
アドヴァンスド・オープンウォーター・ダイバーコースで、初めてドライスーツを使用する方もいます。
その場合、いきなり海で使用するのではなく、稲取マリンスポーツセンターではまずダイビングプールでドライスーツ・オリエンテーションを実施しています。
PADIの規準でも、初めてドライスーツを使用する場合は、事前に使い方を説明し、ダイビングプールでドライスーツに慣れることが求められています。
ここで給気・排気の方法、浮力の変化、姿勢、浮上時の空気の抜き方などを確認してから、海洋実習へ進みます。
初めて使用する器材だからこそ、ダイビングプールで一度しっかり練習してから海へ出るようにしています。
昔ドライスーツで潜っていた方へ
「昔は普通にドライスーツで潜っていました」という方も多いです。
もちろん、その経験がなくなるわけではありませんが、ただ、数年ぶりになると操作を忘れていることもあります。
- 何本くらい使ったのか。
- 最後に使ったのはいつなのか。
- 給気、排気は問題なくできるのか。
- 浮上するときにスーツ内の空気をコントロールできるのか。
このあたりは一度確認してみてください。
PADIの規準でも、コース前には使用する特殊器材を含めて、ダイバーのスキルや水中での落ち着き、知識を確認することになっています。昔できたから大丈夫、ではなく、今できるかどうかの方が大切です。
ダイブマスターを目指している方は特に確認してください
これは、これから伊豆でダイブマスターとして活動したい方には特に知っておいていただきたいところです。
PADIでは2023年6月1日以降、ドライスーツアドベンチャーダイブやドライスーツダイバーコースで認定アシスタントになる場合、ダイブマスター以上の資格だけではなく、対応するダイバーレベルのスペシャルティ認定も必要になっています。
アドヴァンスコースで実施されるドライスーツダイビングでも、認定アシスタントは対応するスペシャルティ認定を持っている必要があります。
伊豆でプロとして活動するのであれば、ドライスーツを使う場面はかなり多くなります。
ダイブマスターになってから慌てて覚えるより、ダイバーレベルのうちからしっかり使えるようになっておいた方がいいと思います。
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そ・し・て 教えるインストラクターにも資格が必要です
もうひとつ、あまり知られていないことがあります。
ドライスーツは、生徒側だけに条件があるわけではありません、PADIでは、これまでドライスーツを使用したことがないダイバーが、オープンウォーターでドライスーツを使用する場合、担当するインストラクターはPADI ドライスーツ・スペシャルティ・インストラクターである必要があります。
また、アドヴァンスコースでドライスーツダイビングを実施する場合も、担当インストラクターにはドライスーツ・スペシャルティ・インストラクター資格が必要です。
つまり、「インストラクターなら誰でもドライスーツを教えられる」
というわけではありません。
ドライスーツは、スーツ内部の空気をコントロールしながら潜る器材です。
給気、排気、浮力調整、浮上時の対応など、ウェットスーツとは違う部分があるので、教える側にもそのための資格が求められています。
稲取マリンスポーツセンターでは、単にドライスーツを着せて海に入るのではなく、これから伊豆で継続して潜るための器材として、きちんと使えるようになっていただきたいと考えています。
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スペシャルティはカードを増やすためではありません
これは普段の講習でもよくお話しすることですが、スペシャルティはCカードをたくさん集めるためのものではありません。
必要のないSPまで無理に取る必要はありません。
ただ、「このダイビングをするなら、これは身につけておいた方がいい」というものはあります。
伊豆で年間を通して潜る方にとって、ドライスーツはその代表的なものだと思います。
- 今年ダイバーになった方。
- アドバンスまで取得した方。
- 以前ドライスーツを使っていたけれど、しばらく間が空いている方。
- これからレスキューやダイブマスターを目指している方。
一度、自分のドライスーツ経験を確認してみてください。
「着たことがある」から、「自分で普通に使える」
ところまで身につけておくと、伊豆で楽しめるダイビングの幅はかなり広がります。
参考資料:PADIのドライスーツに関する規準変更
今回の記事で紹介した内容は、PADIが発行したTraining Bulletin 2023年第1四半期号に掲載された規準変更を参考にしています。
このTraining Bulletinでは、2023年6月1日までに実施する変更として、PADIプログラムでのドライスーツ使用に関する規準が整理されています。
主な内容を簡単にまとめると、次のようになります。
- PADIコースやプログラムでドライスーツを使用する場合、Dry Suit Diver SP受講中、認定取得済み、同等環境で4回以上のドライスーツ経験の証明、または所定のオリエンテーションとDry Suit Adventure Dive修了など、一定の条件が必要。
- 初めてドライスーツを使用するダイバーをオープンウォーターで指導する場合、担当者はPADI Dry Suit Specialty Instructorである必要がある。AOWのDry Suit Adventure Diveについても同様。
- Dry Suit DiverコースやDry Suit Adventure Diveに認定アシスタントとして参加するPADI Divemaster以上のプロには、対応するダイバーレベルのスペシャルティ認定が必要。
- ドライスーツでの最大浮上速度は1分間9メートル。
- Dry Suit Diver Specialtyでは、最初のオープンウォーター・ダイブの前に限定水域でのトレーニングを修了することが必須。
PADIのTraining Bulletinは、トレーニング規準や手続きの変更を知らせるために発行されている資料です。今回の2023年第1四半期号でも、ドライスーツに関する規準変更がまとめられています。
メンバーの方はプロサイトをご確認ください
よくある質問(ドライスーツスペシャルティ関連)
FAQ
FAQ1:ドライスーツSPを持っていないと、ドライスーツでは潜れませんか?
いいえ。PADI規準上、ドライスーツダイバーSP(Dry Suit Diver SP)認定以外にも、同等環境で4回以上ドライスーツを使用した経験の証明や、所定のオリエンテーションとドライスーツ・アドベンチャー・ダイブ(Dry Suit Adventure Dive)を修了する方法があります。
ただし、これから伊豆で継続して潜ったり、ステップアップコースに参加したりするのであれば、ドライスーツダイバーSP(Dry Suit Diver SP)としてきちんと認定を取得しておくと分かりやすいと思います。
FAQ2:アドバンスでドライスーツを経験していれば、SPは不要ですか?
いいえ。PADI規準上、ドライスーツダイバーSP(Dry Suit Diver SP)認定以外にも、同等環境で4回以上ドライスーツを使用した経験の証明や、所定のオリエンテーションとドライスーツ・アドベンチャー・ダイブ(Dry Suit Adventure Dive)を修了する方法があります。
ただし、これから伊豆で継続して潜ったり、ステップアップコースに参加したりするのであれば、ドライスーツダイバーSP(Dry Suit Diver SP)としてきちんと認定を取得しておくと分かりやすいと思います。
FAQ3:ドライスーツはレンタルでも大丈夫ですか?
レンタルも可能ですが、ウェットスーツよりサイズ合わせが難しい器材です。
ウェットスーツでは主に身長・体重を基準にできますが、ドライスーツでは手首、首、足のサイズも重要です。シール部分やブーツサイズが合わないと、水没しやすかったり、逆にきつく感じたりすることがあります。
伊豆で年間を通して潜る方は、将来的に自分に合ったドライスーツを検討するメリットがあります。
FAQ4:久しぶりにドライスーツを使う場合、そのまま潜っても大丈夫ですか?
過去に使用経験があっても、長期間空いている場合は一度プールや限定水域で操作を確認することをおすすめします。
給気・排気の位置や操作、浮力調整、浮上時の空気の抜き方などは、期間が空くと忘れてしまうことがあります。PADI規準でも、使用する器材を含めてダイバーのスキルや水中での落ち着きを評価することが求められています。
FAQ5:ダイブマスターやインストラクターにもドライスーツ資格は必要ですか?
活動内容によって必要になります。
ドライスーツダイバー(Dry Suit Diver)コースやドライスーツ・アドベンチャー・ダイブ(Dry Suit Adventure Dive)で認定アシスタントとして活動するPADI ダイブマスター以上のプロには、対応するダイバーレベルドライスーツダイバー(Dry Suit Diver)認定が必要です。
また、初めてドライスーツを使用するダイバーをオープンウォーターで指導する場合や、アドヴァンス(AOW)でドライスーツ・アドベンチャー・ダイブ(Dry Suit Adventure Dive)を実施する場合には、担当インストラクターにPADI ドライスーツ・スペシャルティ・インストラクター(Dry Suit Specialty Instructor)資格が必要です。













